日本の中高校生が夏の太陽のもとこの本を読んで首をかしげ続けるのであろうことを思う
 高齢者施設に暮らす母が亡くなったという知らせを受けたムルソーは、
その死に対して涙を流すことなく、
翌日には海水浴に行き、
マリーと関係を結び、
喜劇映画を見ていた。

 友人を通して関わったアラビア人を銃殺して逮捕され、
裁判ではその動機を「太陽のせいだ」と答える。
果たして彼には罪への償いの心はないのか…。


 今も<新潮文庫の100冊>に選ばれているこの『異邦人』を最初に読んだのはいつのことでしょうか。
おそらく高校2年くらいのことでしょうから、
今から30年以上も昔のことです。
「きのうママンが死んだ」、
「太陽のせい」といった断片的な言葉ばかりが記憶に残るばかりで、
主人公ムルソーの殺害動機に一貫した何かがあったのかどうかも覚えていませんでした。


 今回再読しても、
ムルソーの心模様を掴みかねる気持ちに変わりはありません。

 巻末の解説によれば、
カミュ自身は自らを実存主義者ではないと明確に否定していたとありますが、
それでもなお私は、
この30年で学んだ実存主義思想の知識に照らして読んだほうがこの『異邦人』は理解しやすいように感じます。

 ムルソーの行動に理解ができない判事や検察、
御用司祭の心に、
「人間かくあるべし」とする気持ちが存在することに気づきます。
その「かくあるべし」とするイデア的考えがアプリオリに存在することを否定することから出発する、
そう考えているであろうムルソー。

 しかし一方で、
この小説の最終場面のわずか後には彼が処刑台の露と消えてしまうことに、
心むなしさを覚えないではありません。
彼にはそこから出発して歩んでいくだけの十分かつ充実した時間があるとは到底思えません。
出発しようとする意志だけが儚(はかな)く輝くだけです。


 この小説を読むことによって、
読者に要求される「あるべき姿勢」とは何なのでしょうか。
ムルソー的出発への意志を受け継ぎ、
なおかつ処刑台への道のりを少しでも遠いものにすべく努めることでしょうか。

 人間に「あるべき姿勢」を求めることを否定するこの小説から、
人間の「あるべき姿勢」を読みとるということの自己撞着に、
私は今慄(おのの)き、
震えるばかりです。
異邦人 (新潮文庫)

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