モリケンそのもの。

森岡賢の音楽性を一望できるツアーのようなアルバム。
その意味でソフバからソロ活動までの集大成のような作品だと思う。


普遍的に異教的な香りのする導入曲。
2曲目の「ELECTICO」は「JAPANESE」を思い起こさせる歌モノ。
続く「Always〜」は印象的なシンセの響きとシンプルなフレーズが「ELECTRONICA」を想起させる。
「LINDA」は後期ソフバの暖かみを思わせる。
アルバムの幾個所にか感じられるSOFTBALLETのメロディのエッセンスを摘み取ることができる。

続く「PULSE」はもはや定番バックで鳴り続けているシンセが新しく、
絶妙な“青空感”を創り出している。

「PULSE」に続く「Crucified」は、
シリアスでグラマラスな、
異色というか“新骨頂”的なナンバー。
「No! Body」はソフバの1stをサンプリングしながら新たな境地を拓いている。
「Jade」は「Japanese」の路線を匂わせる着地点的なナンバー。
いい声だなと今さら感心しつつ。


無垢なシンセサイザーに酔いたいなら「ELECTRONICA」と買えばいい。
テクノやエレクトロニカのヌーヴェルヴァーグを味わいたいなら「fantasia」を買うといい。
「No! Body」のような濃いボディビートが好きならSOFTBALLETの初期アルバムをお薦めする。
それらを宇宙として含んだ森岡賢その人を味わいたいなら、
このアルバムをお薦めする。