チーム・ヘラクレス

先行して劇場公開され、
既にディスク化されているレニー・ハーリン監督作の「ザ・ヘラクレス」は「神話」ベースの物語構成なのに対し、
本作は「伝説」について描いています。


当然ながら本作の時代設定ではインターネットも存在せず、
誰もかれもがスマートフォンを所持していて瞬時に出来事を撮影したり、
録画出来るワケでもないので、
何かが起こっても、
必然的にその場に居合わせた人々しか事実を知りえない状況ができます。


そんな時代に多くの人々が遠巻きに成り行きを見守るしかない重大事に尽く挑み、
見事に解決してみせる屈強な男が現れる。


「ヘラクレス」である。


彼が成し遂げた様々な偉業、
武勇伝が人から人へと語りつがれ、
事実は面白おかしく派手な演出が加わって伝わり、
いつしか全能の神ゼウスと人間の間に誕生した半神の英雄、
「不可能を可能にする」確たる存在として名を轟かせる。


しかして、
その真相は

プロダクション的に「ザ・ヘラクレス」より大規模だし、
主要な役には名の通った俳優が出演なさっている関係で、
整い加減や見映えは本作の方が何かと良い感じです。


でも最初に申したように、
同一人物を描く作品であってもアプローチが異なるため、
ラーメンの「味噌味」と「醤油味」がどちらも美味しいように、
時を近くして製作された「2本のヘラクレス映画」もそれぞれ違う風味を醸すし、
個性的な脚色も利いていますので、
共に「ある程度の満足感」を得られる作品に仕上がっていたとの印象です。


まぁ個人的には、
本作の方が好みですが。