日本の可能性について示唆に富んだ一冊！

日下氏は「まえがき」で本書を“単なる読み物”と謙遜していらっしゃいます。

たしかに、
痛快なまでの語り口は一気に通読させる魅力は、

独自の発想で何者にも束縛されず自由闊達に書かれているからだと感じます。

勿論、
単なる放言や虚言ではないことは言うまでもなく、

全編を通じて有益な示唆が横溢しています。
まさに快刀乱麻とは斯くの如し。


第１章「いま、
世界は静か」では世界情勢を達観された上で、
中国、
韓国、
アメリカの台所事情を
痛快なまでに透視した上で「日本の時代」が到来する背景を描写していきます。

第２章「いま、
日本が直面する問題」では、
労働人口、
出生数、
エネルギー、
ＴＰＰの問題について
独創的な提案をしながら、
安倍首相の地球儀外交の先見性を支持。

第３章「満つれば欠けるのは世の習い」では、
日銀、
最高裁、
金融庁、
外務省に対する大胆な試論を開陳。

第４章「金銀溢れいづる日本」で文化の本質とは何かを説いた上で、

第５章「世界が日本化する」では、
畳み込むように日下節は炸裂していきます。

また「エピローグ」での産業革命を巡る考察は本書の白眉とも言えるでしょう。


本書は極めて独創的にして主観の強い一冊となっていますが、

新しい時代を切り拓く力は、
こうした大胆なアイデアから生まれるのではないでしょうか。

また、
日下氏の著書に通底している日本、
そして日本人への矜持にも感銘を受けました。

新たな年を迎えるにあたり、
本書との出会いに感謝したい。