君は歴戦のナイツか

歴戦のナイツなら言葉を発する必要はない。


このゲームのパッケージを手に取り、
レジへ持ち込み店員と視線で会話するのだ。


「お客様、
こちらのゲームはクソゲーの完全版ですがよろしいですか」

私は目を閉じ、
ゆっくりとうなずく

「よろしい」

店員との無言のやりとりもこのように聞こえてくるものだ。


帰路についた私は、
家に帰るとさっそく封を開けVitaカード差し込み、
引き継ぎをした。


そこで私は気づく

「ああ、
そういえば・・・これクリアしてなかったわ・・・」

突然の虚無感に襲われた私は、
PSVitaの電源ボタンを一回押すと

そのまま机の上においた。


歴戦の『ナイツ』の敗北である。


しかし、
ここで終わって良いのだろうか。


真の『ナイツ』とは敗北を乗り越え、
「クソゲーマニア乙ｗｗｗｗ」とか

「ねぇねぇ、
なにやってんの？」

「ん？ヴァルハラナイツ」

「あ、
ああ･･･（苦笑）」

と罵られても、
それでも我が道を往く

それが、
それこそが真の『ナイツ』なのではないのか。


私は未クリアではあるが４０時間あまりのプレイデータを消去し、

New Gameを選択した。


そして私は驚愕する。


これが、
これが『GOLD』か

Wiiのアレですらしゃべりそうでしゃべらなかったというのに。

Wiiのアレなんだんだよもう。
テレビ壊れたかと思ったよホントに。


この『GOLD』
もしやNewGameでこそ真価を発揮するのではないか、

私は知らず知らずのうちに真のナイツへと転生――

そう、
まさに『ゴールデンナイツ』になってしまったのではないだろうか。


これから新たなるナイツになる君