行動する科学者の闘いの記録、読み継がれるべき良書

現場に行かずにトンチンカンな発言を繰り返してきた
ジャーナリストや作家とは異なり、
木村真三は福島に移住し、

「住民のために何ができるのか」を深く掘り下げ、

自身ができることを現場で続けている。

それは「市民科学者養成講座」であり、
志田名地区の放射能汚染地図の作成協力であり、

現場から情報を発信することである。


福島で生きると「覚悟」を決めた科学者の行動の記録は、

福島の記憶になる。

原発事故はまだ何も終わっていない。
終わったように見せたい人々がいるだけだ。

賃上げにわくマスコミ報道を横目に、
行動する科学者は「そんなまやかしにまどわされるな」と
教えてくれる。
彼の目には、
福島県民が抱えている問題がくっきり見えているはず。

彼の闘いは、
ほんとうのことを伝える、
伝え続ける闘いなのであろう。


本書は地味ではあるが、
ひとりの科学者が静かに、
ときに熱く告発する良書である。

これから長く読み継がれてもらいたい、
正真正銘の良書である。
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