データに基づいた記述で納得

参考になった点
キャノーラオイルが体に有害であること（データの裏付けあり）しかし、
食品メーカーの販売政策で明らかにされていないこと、
要するに加熱調理用の植物性油はすべて問題があることは本書を手にするまで知りませんでした。
これだけで星5個です。
また巻末の、
お勧めの油脂の総合ランキングは参考になりました。

家族の健康や家庭料理をあずかっている方には大切な知識だと思います。


参考にならなかった点
とはいえ、
加熱調理用に問題のない植物油はシソ油・亜麻油…というのでは、
普通の家庭では経済的に引き合いません。
またこれらの油は加熱による酸化・劣化が問題になるように思いますが、
その点についての記述がありませんでした。
すべて実験データからの結論なので、
加熱・酸化した油のラット実験はされていなかったということなのでしょうか。

結局著者の結論は、
家庭での加熱調理用（炒め物・揚げ物）には植物油ではなく、
動物油（ラード・ヘット）を使うのが安全、
と読めましたが、
そうであれば、
その旨、
明記して欲しいと思いました。
ラードの炒め物のほうが、
サラダ油の炒め物よりもボリウム感があっておいしいので、
はっきり言ってよ。
という感じ。


説明不足を感じた点
ダイオキシンが環境ホルモンとして取り上げられ、
キャノーラオイルと比較されていましたが、
そもそもダイオキシンは環境ホルモンなのか、
また環境ホルモンなるものが、
本当に存在して人体にどの程度悪影響をもたらすのか、
まず説明して欲しいと思いました。


納得できない記述
冒頭、
少子化の原因として、
過剰な植物油摂取による日本人男子の精子の劣化が指摘されています。
薬学者の見地からはそういう要因もあるのかもしれませんが、
やや視野の狭い考えでは、
と思います。
そこで星ひとつマイナス。

少子化の原因はもっぱら社会的・経済的なものと考えています（私見です）。
社会的には、
妊娠中絶（堕胎）が世界でも稀なほど野放しになっていること、
及び、
非嫡出子を差別する法律が温存されていることです。
経済的には、
子供の教育費が高すぎで、
（入籍した）若いカップルにとって将来の教育費を回収する方法がないことではないでしょうか。


その他