長い長い時間の中で

いずれも久しぶりの再会だったり、
長い間想いを伝えることが出来なかったり、
仲がこじれてしまっていたりと、
どれも似たり寄ったりの内容ですが、
いずれも素晴らしいと思わせてくれるエピソードです。
それぞれの主人公達が長い時間の中で何を思い、
何を考えていたのか。
そういった主人公達の内面が丁寧に描かれているので、
親身になって読みふけってしまいました。
それぞれの主人公がまた個性的で、
登場人物も何だか憎めない人たちばかり。
読んだ後はほのぼのとした気持ちになり、
心の底からあたたかな想いがわいてきました。

確かに、
「こんなに都合良く物事が展開するわけがない」と思ってしまう下りもあって、
現実主義の方には受け入れがたい物語かもしれません。
でも、
読んでいてどこか心がほっこりと暖かくなってしまう、
ほっとしてしまう。
そういう物語があってもいいんじゃないでしょうか。
モンゴメリの短編には、
メッセージ性として人間賛歌が謳われていて、
心の底から優しい気分になってくるのです。