シリーズ３作目！

フランス編、
イタリア編に続く『ロマネスクへの旅』のスペイン編。
ロマネスクの教会だけでなく、
バルセロナのカタルーニャ美術館やハカの司教区美術館のロマネスクの展示も取り上げられている。

また、
西ゴート、
アストゥリアス、
モサラベなどのプレロマネスク教会も、
この本に収録されているのがスペイン編らしい。

教会ごとに時代が前後するので流れが掴みにくいところもあるが、
巻末にある略年表や君主一覧を参考にすれば、
捉えやすくなりそうである。
また、
建築用語や歴史用語についても巻末に解説が載っていて、
専門用語の理解の手助けとなっている。

美しい写真からはスペインのロマネスクの持つ荒々しい魅力が直に伝わってくるが、
それぞれの彫刻や壁画の個性が強烈である。
さすがスペインというところか。
簡単には読み流せないが、
じっくり読む（見る）と味わい深い一冊だと思う。
できることなら、
この本を手にしてスペイン・ロマネスクを旅してみたいが、
夢のまた夢であろう。