宙に浮いた作品

　　江戸時代末期。

　　幕府の派遣した若者が、
外の世界を目の当たりにして「変革」を意識する。

　　そんな中に、
ロシア貴族の令嬢と親密に愛を育む。
　彼は、
幸せに過ごすことも無く明治の動乱に己の理想を体現しようと
　　帰国する。
また夫人も愛息を伴って「故国」となった日本に到着するも、
夫は幕府軍とともに次第に北へ追い詰められていく。


　　しかしながら、
「歴史上の人物」をたくさん動員しても、
主人公自身が「大言」を披露しているだけである。

　　完全にキャラクターが薄っぺらで、
存在感も無く、
自分の理想をベラベラと吐き出しているだけである。

　　
　　別誌の「源平合戦」を扱った方が、
キャラクターの重みがある。