レ・ミゼラブルの最高の入門書

さきほど読了しました。

正直、
本当に素晴らしい本だと思います。


個人的な話になりますが、
「レ・ミゼラブル」にかぎらず、
いざ長編小説を読むにあたり大変なことは
「描写してある場面を想像すること」かと思います。

場面を想像すると一口に言っても、
それは容易なことではありません。


とりわけ海外の長編小説では、
その小説が書かれた当時の時代背景や文化などの知識がないと、
自分の中にある知識を切り貼りしながら、

ごまかしごまかしなんとなく想像して読むことになり、
読み終わったあとで不全感が残ることがあります。

（もちろん、
その想像が楽しいんだ、
という主張はもっともだと思います。

しかし、
自分の勉強不足で小説の時代背景などの知識がほとんどない場合、
文化も習俗も違う海外の小説を読むことはかなりの苦痛ですし、

本当に読めた、
という読後の満足感も少ないのではないかと私は思います。
）

その点でこの本は、

「レ・ミゼラブル」に関する多数の挿絵が用いられているので、
描写されている場面を容易に想像することができます。

また著者はユゴー自身のみならず、
当時の時代背景にも精通しており、
単に作品中の場面が想像できるというだけでなく、
「レ・ミゼラブル」が書かれた当時のフランスについてもよく知ることができます。


本自体は一見かなり厚く思えるのですが、
挿絵が多数含まれているためです。

章立ても明確であるため、
非常に読みやすく、
読了にそれほど時間もかかりません。


このような特徴を持った本書は、
「レ・ミゼラブル」を読了したい方に非常にオススメできると思います。