こころとからだ

花に染む　心のいかで　残りけむ　捨て果ててきと　思ふわが身に。


どうして　まだ　花を　美しいと　感じるのだろう　全ての執着を　捨てたはずなのに　と通釈が入りました。


西行です。


わたしは、
どうしてまだ花をめでるこころを残しているのだろう。


内省する意識が、
遠いところにいるほかの人にも向けられます。


はかなく頼りなげな息遣いがあります。
しかしわずかにようやく私がここにいることを、
まだ気持ちを保っていることを確認できることが、
生きている者のあざやかな姿となります。


不思議なものです。