ギャング帝国VS6人のアウトローな男たち。

LAの歴史は戦争の歴史でもある。
かつてはインディアンがこの地に住み、
戦争を経てメキシコ人、
白人の手に渡っていく。
現在ではユダヤ人のギャングにより悪の帝国が完成しつつあった。
警察、
裁判官、
一部マスコミも手中に収めた強大な帝国に6人の命知らずな男たちが戦いを挑むというのがこの映画のお話。


主演のジョシュ・ブローリン演じるジョンはギャング撲滅のための特殊部隊のメンバー編成の際、
「真面目なやつほどギャングに買収される」との妻の助言からちょっとばかしアウトローな警官を招集します。
この助言はこの街の腐敗ぶりを如実に表しているかと思います。
警察、
裁判官といった本来市民を守らなければならない人々がギャングの側についている。
取り締まる人々らがそれでは市民もギャングに不利な証言はできないし、
してはならない。
すれば、
消される。
今やLAは完全にギャングに支配されているというのがビンビン伝わってきます。


強大な悪の帝国と戦うには少数でのゲリラ戦でカジノ、
麻薬の輸送トラックといったギャングの資金源を奇襲するわけですが、
やや緊迫感にかけます。
自分たちの縄張りを荒らしているのはいったい何者なのか？そのようなギャング側の撲滅部隊側に対する探りがなかったのが残念です。
こちらの情報が少しずつ相手の手に渡り、
縄張り荒らしの犯人の素顔が徐々に判明していく。
そんな描写があればもっと緊張感がでて良かったかなと思います。


また、
ギャング撲滅の全面戦争と謳っているにも関わらず、
銃撃戦が少ないのは期待外れ感が否めません。
「全面戦争」の号令のもと、
集められた部隊であるのに、
ギャングの店の襲撃の際には殴る蹴るだけで殺しはしない。
物語の中盤ですが、
そこにもっと銃撃戦があればまさに「ギャングとの全面戦争」にふさわしいものになったのではないでしょうか。
しかし、
ラストにはしっかりと迫力ある銃撃戦がございますのでご安心を。


批判めいたレビューに聞こえるかもしれませんが、
良い作品だからこそ欲がでてくるだけで十分おもしろい作品だと思いますので是非ご覧ください。