唯一無二の存在の黒柳徹子さん

　糸井重里さんは、
コピーライターとして有名になる前に、
あの矢沢永吉が自身の半生を語った「成りあがり」の聞き手だった事はあまり知られてないのかもしれません。
８０年代初頭に、
糸井さんを初めとして当時３０代の方たちが大勢世に出て有名になりました。
それは彼らが、
７０年代に大学生の頃は学生運動一色で楽しい青春をおくる事ができず「もう１度、
僕たち青春をちゃんとやりなおしたい」という風潮だったように感じています。


　黒柳徹子さんの言葉で印象に残ったのは「東京大空襲」の時にアメリカに降伏していれば、
広島、
長崎への原爆投下はなかったでしょうということでした。
戦争は大勢の人の運命を狂わせ、
それは今も続いている人たちにとって戦後とはいっても、
戦争はまだ終っていないのです。


　また戦争で多感な時期を塗りつぶされ戦後を迎えた女の子達が憧れたのが美しくて華やかなものでした。
中高年以上の女性たちが、
現在も美しいものや華やかなものに、
憧れたり身につけたりするのは、
「果たせなかった乙女たちの夢」を体現しているからなのです。


　面白いエピソードもたくさんあります。
会話の名手同士の軽やかでいて楽しく、
本質をついた内容となっていて買って良かったです。