塩使いが直感的に分かるレシピ書

今年の正月に奥田氏のTV特番を観て以来、
氏の家庭向けレシピ本が出るのを待ってました。

期待以上に画期的な本でした!
テレビを観て奥田氏の研究熱心で創意工夫に溢れたところに惹かれたので、
奥田氏のそうしたお人柄の活かされた本なのがまず良かったです。

家庭で簡単に出来て、
馴染みのある日常の材料で作れるレシピばかり(むしろ和の素材も多く、
山形名物「だし」のレシピも!)なのは嬉しいし、
何が奥田流レシピのキモかと言うと「塩」なのですが、
これが他の塩レシピの本に比べるととても分かりやすく親切に感じました。

例えば、
塩の成分の中に○○が多いと××な塩だとか、
こういう料理には××な塩を、
とか言うのは他の本にもある内容ですが、
それが直感的に理解出来るようになっています。

手描きの「奥田式塩理論」をはじめ、
なるほど〜と思える塩の知識は、
実際に主婦も台所で活かせるものです。

「塩マトリックス」の図をはじめ、
振り塩のコツまで詳しく書かれていて、
たくさんの種類の塩を揃えなくてもこだわった料理が出来るんだ、
と思える実践的な本でもあります。

市販のモッツアレラを練り直すのとか、
塩だけでで普通の生クリームがバタークリーム風になるとか、
ぶどうジュースがワインみたいな味になるとか、
家庭で作れるのに読んでるだけでワクワクするような面白いレシピもたくさん。

コラムには日本各地の製塩所の様子が取材されたものが載っていて、
冒頭の読み物から巻末の塩の知識についての部分まで、
台所じゃない場所で読み物として読んでも楽しめます。

他の塩レシピ本でたくさんの塩に混乱して塩の使い方がかえって分からなくなってしまった人や、
小洒落た感じのイタリアンレシピの本で材料が調達出来ず挫折した人、
…まあ私のような人(笑)には自信を持ってオススメします!