これ1冊では物足りないけど

“世界一やさしい”と標榜してあるので、
まず分かりやすさを主眼とした書き方です。

開業のための準備や諸手続、
それに各診療科の具体例を書いてあり、
写真や図表も多いので読みやすい構成です。

ただし、
これ1冊にあれこれ詰め込んだために一つ一つが淡泊になっているのは否めません。
住宅メーカーのカタログのような感じで、
「ああ、
開業ってこんな感じなんだ」と具体的なイメージをつかむのにはいい本ですが、
物足りなさもあります。

むしろ後半の各診療科の解説を思い切って削除してしまった方が良かったのかも知れません。
同じ内科でも専門性によっていろいろなパターンもあるはずですし、
本当はそれぞれの専門科ごとに分冊を作るべきでしょうから。

医療分野にあまり詳しくない建築家や設計士と組むことになった場合などに、
こんな風にやっていきましょうと構想を練っていく叩き台に最適な感じです。