面白かったが今後の経営学目指す道のりは険しいと思った

冒頭で「誤解を恐れず言えば」とか「繰り返し述べますが」といった表現が多発し煮え切らない文章に書籍内容の信ぴょう性を疑ったが、
読み進んでいくうちに大変面白い本であることがわかってきた。
ドラッカーは経営学者だとは思えないのだがポーターやミンツバーグ程度しか知らない私にとって経営学の最先端が如何に科学的アプローチに則って研究されているかがわかった。
しかし、
著者も言うように経営学は若い学問だからか、
現段階では経営の実践を後追いするような理論構築に留まっているように感じられる。
工業社会⇒情報社会、
グローバル化などめまぐるしく社会環境が変わる中で、
経済学や他の学問と同様に精緻な理論を構築する（そして教科書ができあがる）までの道のりは険しいのではないかと感じた。

経営学の最先端が本書で概観できるのか、
あるいは本書は著者の独断で選択した内容であって他にもあるのかが気になった。
最先端の全体像を俯瞰できればよかったと思う。
また、
煮え切らない（失礼）表現は避けてもう少し断定した表現を用いた方が誤解を生まなくないのではないか。
この点を考慮して★３つにした。

因みに★ひとつのコメントを寄せている Nozama coj氏のレビュはまったく参考にならない。
煮え切らない表現は本書の冒頭だけだし、
ましてやプランニングと設計主義思想を結び付けるなど荒唐無稽である。
本書のどこに”アカ”を感じるのかわからない。
Nozama coj氏は目次と冒頭の数ページしか読んでいないのではないか。
ロクに中身も読まずレビュで低評価を下すのはさすがに著者に失礼なので、
著者と縁もゆかりもないが援護したい。