クリスティーの冒険ミステリー

クリスティーの得意とする謎解きミステリーとアドベンチャー的要素をたっぷり含んだ物語展開で最後まで引きつけられました。
日本語版が出ているかもしれませんがぜひ英語で読まれることをお勧めします。
難しい単語はあまりありませんし、
何と言っても堅くなりがちな翻訳文よりずっとソフトで登場人物のいきいきとした会話が全く古さを感じさせません。
物語は明るくてひたすら前向きなガッツのある女の子が恋と冒険を追いかけてロンドンからバグダッドに旅立ちます。
それと平行してこれからバグダッドで始まる殺人事件にからんでくる様々な思惑をもった登場人物たちが各国からバグダッドに向けて集まってきます。
最初の数十ページは全くタイプの違う登場人物たちがバラバラの場所で様々な行動をするので追っていくのが大変ですが、
そのバラバラであった点々が少しずつつながって最後にバグダッドで一つの大きなクモの巣のようになっていく様子は圧巻です。
政治と恋と異文化そして冒険を含んだミステリーです。
お勧めです。