タイトル通りの化学熱力学の入門書

こうした専門的な学問の本には、
タイトルに「入門」や「基礎」と書いておきながら難解な書物も多くありますが、
この本はタイトルに偽りのない、
分かりやすい化学熱力学の入門書だと思います。


著者もあとがきにて書いていますが、
大学の化学熱力学の授業は、
受けたときにはさっぱりなにもわからず、
という方が普通だと思います（私自身そうでした…(^^;;）
何の因果か私は物理化学の道に進み、
何とか1人で熱力学は使いこなせるようになったかな？とも思いますが、
それでも式のつながりを追うので精一杯で、
それぞれの物理量や法則の意味まではなかなか理解できてないな、
と感じていました。


そんなときこの本に出会いました。

買ってから一気に通読したのですが、
何より、
それぞれの物理量、
法則の意味、
使い方、
考え方に焦点が当てられていて、
なるほど！と思わされるところか何カ所もあったところが気に入りました。

学生が間違いやすいところや大事なところは四角囲みの図に書いてあり見やすいのもおすすめポイントです。

私が大学生のころ、
この本があったらと強く思いました！(^^;;笑

ただし、
あくまで入門書です。

この本は熱力学において理解しなければならない基礎的な概念を丁寧に説明した本ですので、
実務レベルとはいえません。

研究や仕事で化学熱力学を使う方は、
適宜、
自分の専門に応じた専門書が必要でしょう。


大学生の試験対策にはうってつけだと思います。