子供の時に読んだ「幸福な王子」他４つの短編。

子供の時に読んだオスカー・ワイルドの短編集のKindle版でダウンロード出来たから、
なつかしかったので読んでみました。
これは、
子供向けの仮面をかぶった、
切なくなるほど辛辣な物語集です。
よくもまあ、
日本の（当時）文部省がかつて道徳教育の教科書のなかに「幸福な王子」を採用していたモンだと感心します。

商品説明からは実際に収録されている他のタイトルが見えないので、
ここに記しておこうとおもいます。

1．The Happy Princeーーー善行がいつも報われるとは限らないという話。

2．The Nightingale and the Roseーーー真実の愛は命がけ。
だけどいつも報われるとは限らないという話。

3．The Selfish Giantーーーわがままの報いは孤独と寒い冬。
だけど改心することに意味がないとは限らない。

4．The Devoted Friendーーー真の友情は命がけ。
だけど、
公平なギブアンドテイクが常にあるとは限らない。

5．The Remarkable Rocketーーーいまいちよく分からなかった。
（済みません。
）
などなどワイルドのひねくれた悪意のこもった物語にむっとしつつ、
この上なくスタイリッシュで優美な筆致にはいまさらながら苦笑を禁じ得ません。
久しぶりに面白かったです。