是非一読を！

若い研修医からベテランまで是非読んで頂きたい一冊である。
これだけ心房細動について解りやく書かれた本は見たことがない。
正に、
目からウロコが取れる感じである。

著者は本邦における心房細動のカテーテルアブレーションのエキスパートとして海外でもよく知られている。
心房細動の治療を手術で行うことを世界で初めて報告したフランス　ボルドーのハイサゲール先生の元で1999年から２年間の厳しいトレーニングを受け、
帰国後は慈恵会大学病院で全国からの患者の治療に没頭。
実際の症例を提示し、
患者および第一線で頑張っている開業の先生方に向け書かれている。
が一般内科医にとってもこれだけことを知っていれば十分である。
得てして専門家の書いた本は難解で、
肝腎なことがよくわからないが多い。
心房細動の標準的な治療を行う為には膨大な知識を必要とすることも一因であろう。
本書を紐解くと、
実際の患者の治療をどのように行ったらよいか、
明日からの治療方針にもはや迷うことは、
ない。

根本に流れる患者への視線が暖かい。
外来診察室で丁寧に系統だった診察を行い、
穏やかな表情で患者へ説明をしている姿が目に浮かぶようである。
藁にもすがる思いで受診した多くの患者は、
安心して著者に治療を任せようと思うであろう。

心房細動の診療の在り方を本書に見る事ができる。

是非一読をお勧めしたい。