病気に対する考え方が興味深い一冊

　タイトルにあるように、
いわゆる「奇病」と称される種々の疾病について簡潔にまとめられています。
語り口はエッセー風であるので、
教科書のように詳しい知識を得る、
というよりは、
こういう症状が出る病気があるんだ！　と「知る」ための本だと考えたほうがよいと思います。
　奇病といっても、
黒死病（ペスト）や中毒といったことについても言及されており、
ただ興味本位で読者をあおっておしまいにしないスタイルに好感がもてます。
また、
病気に限らず、
民間療法や古代の病気に対する考え方や治療法（瀉血や薬草を使った治療、
床屋による外科手術、
祈祷・・・）などについても述べられており非常に面白いです。
　
　前述のとおり、
内容は一般向けに書かれているため、
詳しい知識を得るというより読んで楽しむ本です。
また、
読みやすくは書かれていますが、
扱っている内容のため、
普通は知らない英単語（病名など）が頻繁に出てくるので、
辞書を片手に読むのがお勧めです。