普段着の尾崎豊

　十代の頃に全盛期を迎え、
世間では「十代の教祖｣とまで崇められていたが、
本人はそのことに対して違和感と危惧感を抱いていた。

このライブＤＶＤは、
尾崎のそんな誤った見方を払拭する、
終始リラックスした表情の尾崎を垣間見ることができる。

特に彼のＭＣが面白い。
漢文の話題を持ち出し、
一人酒の芝居をやるあたりは、
彼のユーモアがあふれていて、
観ていてとてもほほえましい。


　しかし、
この翌年、
彼は突如としてこの世を去る。

我々に夢と希望を与え続けた、
才能溢れるアーティストがこの世を去った。

今でも尾崎が亡くなったのは残念でならない。

自ら会社を立ち上げ、
社長となり、
このバースツアーで復活を果たした尾崎。

何もかもが順風満帆で、
さあこれから、
という時に、
、
、
、
、
、
。

あれだけの感性・資質を持った人だっただけに、
本当に残念だ。

今ではもはや叶わぬものとなってしまったが、
尾崎があのまま生き続けていたら、
今頃どんな歌を歌い、
何を我々に訴えかけているだろうか。

「放熱への証」ツアーがぜひ観たかった。


　そして、
最後に,今十代の生活を送っている皆に一言。

それは、
決して尾崎を誤解しないでほしいということ。

尾崎は、
「若者の教祖｣でも、
｢十代の代弁者｣でも、
「神」でもなかったということ。

尾崎は、
我々と同じく、
生身の人間であり、
普通の青年であったということ。

このライブＤＶＤを観れば、
きっと私の言っていることに納得してもらえると思う。


　I LOVE YOU,OZAKI.