日本の安全保障の行く末についても考えさせられる
私は本書についても筆者についても何も知らなかったが、
これは名著だ。
ポスト冷戦時代の脅威の多様化により、
政府のみでは脅威への対応が難しくなりつつあり、
かつて政府が行っていたことが、
PMCと呼ばれる民間軍事会社へと委託されていること、
そしてこれが様々な反響を引き起こしていることを、
緻密な取材と実体験によって詳らかにしている。
PMCは欧米では市民権を獲得しているが、
日本ではまだまだ知名度が低い。
そのような日本の読者にも理解できるように、
本書はとにかく丁寧に、
PMCが生まれた経緯や活動状況について説明している。
基地での給食や警備といった業務の一部を民間委託するということは自衛隊でも行われていることだと思うが、
米国ではこれらに加えて在外公館の高官の警護や、
さらにはインテリジェンス活動の一部まで民間委託されていることを本書で知り、
驚いた。
筆者はPMCと豊富な人脈を有しているようだし、
PMCが提供している訓練に実際に参加したことがあるとのことで、
とにかく文面に臨場感が溢れているのがいい。


本書を読むと、
いろいろなことを考えさせられる。
まず、
欧米諸国で今後もPMCは右肩上がりの成長を続けて行くのだろうか。
本書はイラク戦争の終結やアフガニスタンからの連合軍の撤退の道筋がついたことを受け、
PMCの将来には不透明なところがあると指摘してはいるが、
欧米諸国の財政赤字を踏まえれば軍事やインテリジェンスの民間委託は今後も進んで行くと考えられる。
また、
欧米諸国では兵力の削減が行われており、
民間に活動の場を求める軍人は増える一方だろう。
さらに、
サイバー攻撃に代表されるように、
脅威の多様化は進み、
政府のみで安全保障を確保することは一層困難になりつつある。
PMCのプレゼンスは今後も大きくなっていくのではないだろうか。
そして、
日本の安全保障はどうなっていくのだろうか。
日本も欧米諸国の課題を基本的に共有しており、
PMCが隆盛する環境にはある。
しかしながら、
軍事アレルギーが依然として根強く、
PMCに対する風当たりは欧米以上に強いと思われる。
PMCに対するニーズが高まりつつある一方で、
PMCへのアレルギーは強いというジレンマの中で、
日本は将来の安全保障を考えなくてはいけないのである。
民間軍事会社の内幕 (ちくま文庫 す 19-1)

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