少ないページ数で、類書に無い研究者の紹介や、最前線の実験や理論を紹介

重力理論についての解説なら、
沢山あるし誰が書いても同じだと思ったので、
本書には期待していませんでした。
しかし、
著者が重力に興味を持って有名な本を手に勉強して行くところから始まりますが、
本書で採り上げているエピソードで、
著者の感受性や優しが伝わってきます。
ニュートンの重力理論からアインシュタインの一般相対性理論を総括して、
その応用としての宇宙論、
量子重力理論に携わった、
いろいろな人たちが登場します。
一般向けの類書では、
描かれていない研究者や、
その人たちの役割や関係なども描かれています。
少ないページ数で、
これだけの内容をまとめることができたのに驚きです。

重力波を最初に発見したと主張するウェーバーの異常な頑固さに対してダイソンが伝えた「偉大な人間は公の場でみずから過ちを認め、
考えを変えることを恐れません。
」が、
いい感じです。
ウェーバー型の検出器は、
随分昔に、
西オーストラリアで見たことがありますが、
これで検出器可能だとは思えませんでした。

参考文献の紹介が使いづらいのと索引が無いのが不便です。
また、
ヨーロッパとアメリカでの研究や実験、
研究者しか登場しないので、
日本人の研究者や実験などを触れてほしかったです。