戦後の中東の展開を、広く、しかし確実に押さえてくれている本
「中東」はイメージだけで論じられることが多い。
これまでにもアラブ政治の今を読むなどの、
今日よく取り上げられるアラブ情勢の話題とその誤解を書いた本は読んできたが、
本書は中東をいくつかの切り口にわけて、
それらの観点からより深く多層的に説明してくれている。


まず筆者は「中東」というくくり自体を批判する。

さらに、


「よく見ると、
中東の事件の多くは、
宗教や文化とはさほど関係のないところで起きている。
普通の独裁だったり、
普通の権力とカネをめぐる争いだったり、
実はどこにでもある要素が、
中東でも紛争原因になっている。
だがそれを、
宗教や独特の文化や慣習など、
日本とは全く違う社会であるせいでコトが複雑になっているのだ、
と考えてしまうと、
中東での出来事は結局、
「他人事」になってしまう。

中東の紛争は、
「神様」のせいで起きているかのようにみなされがちだ。
だがそうした見方は、
簡単に思考停止につながる」(p8)

と、
我々の陥りがちな「中東観」にくぎを刺す。


本書では、
「石油」「イスラエル」「冷戦構造」「イスラム主義」という4つの観点から掘り下げる。


「石油」では、
アラブ首長国連邦やサウジなど、
オイルマネーとパワーの変遷などが追われている。

サウジの対米立ち回りなどは、
大雑把には知っていても細かくはあまり知らなかっただけに新鮮だった。


「イスラエル」はそのままだが、
宗教よりむしろ「国家観」(民族=国家、
と、
宗教=国家の考え方の対立)を指摘したりするなど興味深い。


「冷戦構造」では、
アメリカのソ連封じ込めのコンテクストにさまざまな国の動向を置いて分析している。

二極構造の上で上手いバランスを取ることで利益を得てきたアラブ諸国、
という構図はなるほどである。
<中東>の考え方 (講談社現代新書)

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