山は動いた

平成26年11月10日に死去された映画俳優、
高倉健さん。


氏の代表作であり、
同時期に始まり、
寡黙で義理堅い世間的認識を印象付けることとなる「昭和残侠伝」シリーズとは少々異なり、
どこかに軽さ、
ユーモアも漂わせる「網走番外地」シリーズが堂々のBlu-ray化です。


しかしながら、
高倉健さんの死去をうけての(緊急)追悼企画でもあり、
素直には喜べない側面もあります。


それでも一般人たる私には氏の残した作品を繰り返し鑑賞し、
その表情、
演技に想いを馳せる事が唯一叶う「偲ぶ心」の表れなので、
ここは気後れすることなく「予約注文」させて頂きましたし、
手元に届いたら、
即日楽しむつもりです。


本ボックスに収録されている内で個人的に好きな作品は、
男手ばかりでむさ苦しい内容が本社から敬遠され、
充分な予算を割り当てられず白黒撮影を余儀なくされたが、
それが結果的には極寒の厳しさと男どもの熱気を際立たせ、
明暗くっきりする画面に印象深く刻み込む事となった1作目。


それから、
幼さのなかに素材の確かさを輝かせる若い大原麗子が可愛く、
訳アリな人々を乗せ雪原を突っ走る一直線な構成が有無を言わさぬ迫力を増す4作目の「北海篇」ですね。