尋常ではない完成度

天の樹やニワカアメが先行配信されたときから今回はすごいのではないのかという
大きな期待をしてしまいましたが、
大きな期待というものにちゃんと応えてくれる
アルバムというのも滅多にありません。
そういった意味でもこの「天の樹」は
私にとってとても貴重なものとなりました。


「EUPHORIA」
おもしろい応援歌でした。
サビで短いフレーズを繰り返すのでその分とてもメロディが
覚えやすく、
癖もないので万人受けするような感じもします。
曲順を考えた時、
最初以外
考えられないような曲に仕上がっていて、
また勝手にバラードを曲名から想像していた私
としてはいい意味で裏切られたという感じです。


「サンドリヨンの番犬」
曲名から聞きたいという欲求をそそるこの曲でしたが、
意外に完成度がものすごい高くて
一番驚いた曲です。
個人的には歌詞だけならアルバムで一番素晴らしい出来だと思います。

愛してるとか会いたいなどという適当な言葉でごまかさず、
名詞や細かい描写を多用し、

特にガラスの靴のくだりなどは「うまい」と唸ってしまうほどです。
メロディも一貫した
テンポでどんどん進んでいく感じがよく、
途中の擬音語もわざとらしく聞こえなくてとても
とてもグッドでした。


「光る魚」
このアルバムの中での唯一の実験曲。
ダークなメロディからハイトーンによって一気にサビに
解き放たれるこの解放感、
爽快感が好きです。
記憶する限りは、
このような最初ダークでサビ解放
という流れで、
サビ前後でここまで明るい方に変化した曲は今までになかったような気がします。

曲名は地味ですが、
新しい一面を見せた曲だと言えそうです。


「ソラゴト」
私の一番のお気に入りです。
長いサビの特徴は、
前半は安定して流れていますが、
後半での
不安定さがすごく、
それなのにサビのアウトロはとても腑に落ちる音程にストンと落ちてきて
くれるので聞いててとても心地よいです。
また歌詞には素朴さがあり、
その中に人が持つ力強さ