発足して60年目の自衛隊がいま大きく変わる。キーワードは集団的自衛権と「統合機動防衛力」。日本の未来を考えるために座右に置いて損はしない。

「激変！まさかの自衛隊！！」の標題のもと現地取材を含めて多数の記事・インタビュー・解説論考による「明治の統一国家としての陸海軍の創設に次ぐ『第二の創軍』」をなしとげつつある自衛隊の「現在・過去・未来」。


直接取材のグラビアの迫力は手放しで賞賛でき、
また練達の東京新聞編集委員五味洋治氏、
軍事評論家古是三春氏、
軍事ジャーナリスト黒井文太郎氏等の筆になる論文は別格だろうが、
さてそれ以外の取材記事となると＜広報宣伝＞なのか＜報道＞なのかさだかではないものが混在する。
面白かったのは嘉納愛夏氏「知られざる『自衛隊の警備犬』の世界」、
桜林美佐氏「ハイテク日本に売れる兵器はなし？『武器輸出緩和』の甘くない現実」、
そして落語家の桂才賀氏のインタビュー記事。
他のインタビュー記事は＜自衛官数倍化＞＜国防費３倍化＞＜台湾と安保条約を＞と大言壮語を連発している井上和彦氏とか、
御歳87歳の＜情報整理上手＞＜世渡り上手＞の長谷川慶太郎氏とか、
いささか首を傾げる。


気付いた落ち度は、
ｐ25とｐ42の地図に「マカオ」とあるのはマニラの明らかな誤り。
また古是氏の論考でキロ級潜水艦の形式名を欠き説明不足ではないか。
手元資料によれば中国は877型２隻、
636型２隻、
636M型８隻、
ベトナムは636VM型と記載されている。


国民の多くが知らぬ間に、
「国家そして国民の決意」とされてこれほど大きく変わっていたのに驚かされるとともにある意味恐ろしい気がする。