動物園の檻の中で「インパール作戦計画」を糖衣錠に包んで飲み込むライオンたち

当方、
菅井さんの一本気が大好きだ。
プロ棋士にとっての数少ない勝ちパターンは、
阿部・豊島パターンだけだ。
そうであっても、
がっぷり四つでコンピューター将棋に立ち向かう姿勢が大好きだ。


リヴェンジマッチのハイライトは、
朝食休憩手前に菅井さんが土俵中央まで押し返したシーンだと思う。
がっぷり四つで菅井さんが終盤で互角まで押し返したチャンスの詳しい検討が今号で欲しかった。


完全徹夜は、
やりすぎだと思った。
電力の供給が途絶えればコンピューターはただの箱だ。
人間が睡眠や栄養を十分にとることは、
コンピューターより劣っていることにはならないと思う。


今号の菅井さんのインタビューの時点で、
8・29の記者会見・PVの内容を菅井さんがどの程度知っていたのかは、
当方には分からない。


菅井さんが電王戦タッグマッチの出場にOKなのは意外だった。
電王戦の戦績が（現実とは逆に）人間側7勝2敗１分けなら、
あってもいい企画だと思う。
コンピューター将棋に圧倒されている現実下では、
「自分の頭で考えることの意義の否定」になりかねない。
そんな競技に菅井さんが出場する気になったのは意外だった。
ぜひインタビューで突っ込んで欲しかった箇所だ。


読者の関心が集まる箇所なのだから、
すこし発売日を遅らせてもいいから8・29の記者会見の内容まで踏まえた記事にしてほしかった。


8・29の記者会見とPVについて。


タイトルホルダーの電王戦出場に注目が集まるようなPV構成になっていた。


渡辺明が一貫した男だということを再認識できて安堵した。
羽生善治が男を下げたのに対し、
渡辺明は大いに男を上げた。


渡辺さんが一番踏み込んでいた。
「FINALの次はオレだ」と発言したに等しかった。
森内さんは少し見直した(受身ながらOK)。
羽生さんは残念だった(羽生善治本人に訊かずに誰に訊けというのか？)。
渡辺明が他の二人と決定的に違うところは、
「今現在プロ棋士がどんな状況に追い込まれているのか、
タイトルホルダーの自分が何をなすべきか」という論点がまず最初にあること。
連盟執行部・谷川会長の意向がどうなのかは二の次だ。