☆５つ。ただし作風の欠点は未来日記の頃から変わらない。

十人衆に祭り上げられてしまい、
世界に対して宣戦布告をする事になった新世界の王・星宮エイジ。

妹の治療の確立の為にと傀儡として十人衆に舐められながらも、
山口侵攻作戦に王自ら(強制)参加する。


『大破壊』により各地方がそれぞれ能力者(オーダー)が統治しており、
九州を拠点にして各地方のオーダーを倒して回るという実に分かりやすい流れ。

今巻は山口、
次巻は広島。

巻末に領土が載っているので、
少しずつこれが拡大していくのだろうなと思われる。


未来日記のように主人公とヒロイン中心に話が進むと思いや、
予想外にヒロインがバカ過ぎて何とも……。

今後親しくなる可能性あるんだろうか、
親しくなっても読者は嬉しく思うのだろうか、
と考えるくらいに今のところ魅力がない。

未来日記の由乃は好感度MAXの状態で登場し最終的に敵対したが、
ビッグオーダーは反対に終盤まで好意を抱かせないつもりなのか。


代わりに十人衆が魅力的なキャラになりつつあり、
十人衆にもそれぞれ、
エイジを馬鹿にする者、
利用する者、
慕う者など様々な立ち位置の者がいる。

二巻では敵か味方か分からない十人衆との関係性の変化を押し出してきて、
駒にしか過ぎなかったはずの主人公と十人衆との共闘感が盛り上げてくれる。

今後エイジは各土地のオーダーだけでなく十人衆も攻略していく事になりそうだ。

未だに明かされないエイジが世界を滅ぼしかけた『大破壊』の謎、
共闘感を覚えつつも不穏要素を抱える仲間『十人衆』、
各土地の統治者など長期連載するには十分なネタがあり、
今後の展開には引き続き期待したい。


と、
べた褒めしておいて何だがビッグオーダーも未来日記と同じく色々と欠点はある。

相変わらずモブを人間として描けておらず、
インパクトのある展開優先で突っ込みどころも多い。

未来日記では『御目方教団の大人は悪事に疑問に思わなかったのか』『他の一般市民の描写がないが事件に対してどう思っているのか』など、
スポットが当たるキャラ以外はまるで舞台装置の如く無味無臭の存在だった。