短い本ではある
 120頁と短い本ではある。
しかし、
読者の思考を促進し、
容易に読み進める事を立ちどまらせる本でもある。
本書は、
政治思想史家、
齋藤純一の公共性論であるが、
「思考のフロンティア」というシリーズ名に相応しい一冊となっている。


 第1部では、
本書の主題「公共性」を近年の「公」を巡る議論の中に投じ、
公共性を共同体と比較して、
「開かれている」こと、
「複数の価値」が生成し、
「人びとの間にある事柄」への関心が保たれ、
「一元的・排他的帰属」を求めない空間と規定する。
第2部では、
公共性論の古典から現在的な課題に向い、
1章でハーバマス、
2章でアーレント、
3章でアーレントの捉え損ねた社会国家における生命の保証という課題を提示し、
4章で公共圏と対立するものとしても捉えられ易い親密圏の、
公共圏への転換可能態として両義化し、
その可能性と課題を提示、
5章では個人と共同体という分析概念に対し、
自己と公共性の複数性という視座を問う。
第3部は本書で準拠した文献や必ずしも触れられなかった重要な文献案内であり、
著者の判断の裏側にある蓄積も見える。


 欲を言えば、
基本的な登場人物には、
その著作の時代背景と参照させながら読むために、
生没年や原著出版年、
また和雑誌からの引用には、
出版年もつけて欲しかった。
また内容面でも、
個人と共同体という近年の法哲学の文脈に、
自己と公共性の負の側面を押し込んだ、
という側面はある(少なくとも社会学では個人は共同体と組みになり難い)。


 けれども「思考のフロンティア」シリーズの一冊として、
読者をフロンティアに誘いつつ、
更なる思考(原著)に導こうという目論みは十二分に果たしえている。


 私自身は特に、
近年の法哲学の議論を紹介した後、
アマルティア・センを介して、
1880年代に成立した社会国家が1970年代に変容した議論につなぎ、
今日の監視社会論の課題へと導いた第2部3章が参考になった。
公共性 (思考のフロンティア)

その他の感想

機能はまずまず・・
きれいな声です
チープ。
iPhoneと一緒に買いました
マクロ経済学の中級の内容を学びたい人にうってつけのテキスト
いつもどおり
恋心の切なさ、不思議さ!
それぞれのハムレット
サイズをちゃんと選べば最高。
「なるほど〜」がいっぱい
2日に1回以上のペースで使う、日常使いの化粧水シートマスクです。個別包装のクリアターンとは、少しイメージが違います。
車いす用工具として
目覚まし用に
価格に御礼します。
薄くてとてもいい
色々な電動工具がセットできます。
価格以上の良い製品です。
楽しくなる1冊♪
B3ポスターも安定して使えます
顔用に購入しました。
予備の寝具として
見事な白桃ヒップは破壊力十分
正直言って、あまりにもチープだったのでびっくりしました。。。
MagicPrefs
持たざる者たちの無力感と絶望、苦悶の叫びは誰かに届くのか
うん。王道でよかったです。
ローリスク
「理論物理屋は如何にアイディアを思いつくのか」が語られる対談集&インタビュー
最高のペン
作者の張った見事な伏線に脱帽
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