MEMORIES-Kahara Covers- の感想

彼女の歌手のルーツとなった曲が10曲が収録されている。
歌手として復活しただけあって彼女の声質・表現力はとても素晴らしい。
元プロデューサーであり元恋人であった小室哲哉氏の楽曲3曲はアレンジこそ全く違うが、全く違和感がない。相性がとても良いことが改めて感じられた。
それ以外の楽曲に関しても選曲が絶妙。特に４曲目の「やさしさで溢れるように」１０曲目の「PIECE OF MY WISH」などは彼女の生き様とリンクしていて華原朋美の楽曲としても十分通用する出来映え。
強いて言えば、今回のアレンジで好き嫌いは分かれると思う。しかし、カバーアルバムなのだからある程度のアレンジは必要要素だと私は思うし、アレンジの違和感をカバーできるだけの華原朋美の魅力で溢れたアルバムに仕上がっている。

最後に簡潔に曲ごとにレビューしておきます。

1.DEPARTURES…制作時期的にI BELIEVEやI’m proudの頃であり、歌詞の内容的にも元々彼女を意識して作られた作品なのではと思った。マークのラップ部分こそないものの声質の柔らかさでは原曲を超えるマッチさがある。globeの最大ヒット曲で賛否両論はあると思うが、globe verも華原verも素晴らしいと思うし、それぞれの良さを評価すべきだと思う。

2.恋しさとせつなさと心強さと…20年前の篠原涼子のダブルミリオン作品。一番アレンジが原曲と異なり、大幅にロックバンドっぽく変更されているが、やはり彼女の声と楽曲がマッチしている。彼女の力強さが感じられる楽曲になっている。

3.M…平成元年、失恋歌として有名なプリプリのナンバー。元々華原が高校１年生で初めて美少女コンテストのオーディションで歌った曲ということだが、彼女の失恋歌はその生き様から歌詞に説得力があり、心に染みる。