George Szell Conducts Beethoven Symphonies & Overtures (Sony Classical Masters) の感想

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セルを知って45年程経ちますが、他のレビュアーの方のような聴き比べができて、それを適切に言語化できるような深い聴き手ではありません。
ただ、私にとって指揮者＋オーケストラというのはセル＋クリーヴランド管弦楽団しかないのです。
私が大学生だった70年代前半は、ポール・モーリアやレーモン・ルフェーブルなどというソフトミュージックが全盛で、歌以外ではそのジャンルを聴いていました。　そうした時、大学のオケでフルートを吹いていた親友が「そんなもの聴いてないで、一度これ聴いてみ」と渡されたのがセルの「ベートーヴェン3番・英雄」でした。
食わず嫌いであったクラシック音楽の素晴らしさに初めて触れた瞬間でした。
それからセルの世界にどんどんハマって、「新世界より」「運命」「未完成」「ブラームス第1番」という初心者には取っ付き易い4曲が入ったソニーの3枚組LPを購入しました。（「新世界より」がA＋B面でした。時代です・・・）
ちなみにこの親友は浪人時代、’70年に万博ホールで行われたセルの公演も聴いているという筋金入りでした。
最近は高音質のウォークマンも出てきたので、何とかその時のセルの演奏がデジタル化されてないか必死で検索しましたが、「新世界より」「運命」だけはセルのCDが見つからず、入手し易いカラヤン＋BPOやベーム＋ウィーンフィルで揃えていきました。
それがとうとうAmazonで同じ音源の「新世界より」を見つけ、また今回このベートーヴェン交響曲全集の購入で「運命」に辿り着きました。しかもCD5枚で送料込み1,453円！なんというコスパなんでしょう。
皆さんが書かれていますが、セルのドヴォルザークも素晴らしいです。「新世界より」はもちろん懐かしい音源ですが、ドヴォルザークでは特に7番が好きです。セル＋クリーヴランドの冷徹で完璧な演奏ながら、叙情性を見事に表現していると思います。
話は逸れてしまいますが、大学卒業寸前の’75年に来日したカール・ベームがNHKホールで振った「ブラームス第1番」をTV中継ながらリアルタイムで聴いています。

CD 4 のクレジットにはモノラルの旧録音のデータが載っていますが、聴いてみたら間違いなくステレオです。
３、８と聴いて、第５を聴き始めたばかりですが、素晴らしい音で、演奏にスケール感が増したようです。