クルーグマン教授の経済入門 (ちくま学芸文庫) の感想

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参照データ

タイトルクルーグマン教授の経済入門 (ちくま学芸文庫)
発売日販売日未定
製作者ポール クルーグマン
販売元筑摩書房
JANコード9784480092151
カテゴリビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済学 » 経済学入門

購入者の感想

ポール・クルーグマンは非常にアカデミックな国際経済学者であるが、90年代から一般向けの啓蒙書も多数書いているのでビジネスマンを中心に知名度も高い。アジア経済への過度な期待に対する警鐘(94年)や日本銀行に対していち早くインフレターゲット論を主張(98年)したことなどご存知の方も多いと思う。本書はその著者が書いた一般向けのマクロ経済入門書である。著者は、マクロ経済において重要なのは、生産性・所得の再配分・失業率の3点のみであり、その他の複雑でよく議論される要素(インフレ、国際競争力、財政赤字やファイナンス等々)は、これらの3点に影響を与えることと、政策担当者が比較的扱い易いという点にのみ重要性がある、と述べている。クルーグマンに対する批判は物事の過度な単純化という点で集中するが評者はそうは思わない。本書でも実物経済に対するアカデミックな経済学的な見方が非常にスッキリと提供されている、と同時に理論の限界も正直に提示されている。最後に訳者の山形氏の口語訳に賛否両論があることにも一言触れておく。

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