考古学崩壊 前期旧石器捏造事件の深層 の感想

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参照データ

タイトル考古学崩壊 前期旧石器捏造事件の深層
発売日販売日未定
製作者竹岡俊樹
販売元勉誠出版
JANコード9784585220916
カテゴリ » ジャンル別 » 歴史・地理 » 考古学

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あの「前期旧石器捏造事件」は日本考古学の底の浅さと、考古学そのものに対する考古学研究者の研究方法が厳しく問われた。そして、日本考古学協会は組織的に検証を行った。しかし、その検証方法が「石器であるのか、石器でないのか」と言う課題を石器技術方法論から行うのではなく、前・中期旧石器と言われるものに「石器製作後における最近の傷(これを検証ではガジリと呼んだ)の確認」と、石器に表土が付着しているか(表土=黒ぼく土)、の検証であった。つまり、石器の技術的、型式学的検証と言う考古学的方法のオーソドキシ―を採用していなかった。

これは、筆者である竹岡俊樹が鋭く指摘することである。具体的には石器が読めない、分らない考古学者とは一体何なのか。プロと言う専門家たるべき存在とはどうい研究コンテンツが望まれているのか。これらについてまともに答えられる研究者がいるのか。と言うことである。ねつ造石器が藤村の極めて簡単なトリックに騙され、その結果「その地層から(ねつ造)石器が出土する」と言う「事実関係」と「層位は型式に優先する」と言うドグマがまかり通る。さらには全地球的に人類の進化過程が多少の地域的タイムラグがあるものの、ほぼ同時に進行していることに対して、列島の東北地方の中での小地域だけが「原人‐旧人‐新人」と特化した進化を遂げるという解釈が出来上がり、それについても考古学者から疑問の声が上がらない。

また、大学間の確執や研究者間の確執も検証当時問題とされた。所謂学閥、派閥、人脈である。そういうことが重なり合って「ねつ造事件」の背景として構成されてた。それらを総括する意味で本書が刊行された意義は大きい。加えて、筆者の竹岡俊樹はねつ造事件を見破った当の本人である。その、本人の声に耳を傾けるべきだと思う。

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勉誠出版から発売された竹岡俊樹の考古学崩壊 前期旧石器捏造事件の深層(JAN:9784585220916)の感想と評価
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