淡淡幽情 の感想

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参照データ

タイトル淡淡幽情
発売日1995-07-26
アーティストテレサ・テン
販売元ニュートーラス
JANコード4988022111637
Disc 1 :獨上西樓(ひとり西楼に登る)
但願人長久(長寿を願って)
幾多愁(悲しみが流れていく)
芳草無情(無情な草の緑)
清夜悠悠(寂しい夜に)
有誰知我此時情(この心は誰も知らない)
臙脂涙(涙は赤い花びら)
萬葉千聲(離別の哀しみ)
人約黄昏後(彼と契った黄昏)
相看涙眼(別れの涙)
欲説還休(憂愁)
思君(あなたを偲ぶ)
カテゴリ » ミュージック » ジャンル別 » J-POP

購入者の感想

かつて「古典」で中国の詞を学んだ時、その中に流れる、実に人間らしい繊細な感情表現、とりわけ哀しみや切なさをめぐる表現の豊穣さ加減に驚かされ、そして魅せられたものであった(という割にはその後、改めて学び直したというわけでもないのだが、心には残っている)。
テレサ日本再デビュー前夜の83年、香港のアルバム・オブ・ジ・イヤーを受賞したこの傑作アルバムは、そうした豊かな表現をもつ、およそ千年ほども前に書かれた詞の数々に新たに曲をつけ、多彩なアレンジをほどこしたものに、テレサがその歌声で新たな生命を吹き込んだ、親しみやすく、なおかつ芸術の香り高い作品。意味はわからなくても(ブックレットに対訳と詞ごとの解説が載っているので、あらかじめ読んでおくのがベターか)、聴いているだけでも心が休まる、いわゆる《癒し系》としても究極の一作ではないだろうか。やはりアーティストたるもの、CDを売るだけでなく、こうした作品を残してナンボのもんなのだと痛感させられる。このアルバムは、テレサが探し求めた自らのアーティストとしてのアイデンティティ、その証明でもあったのかもしれない。
なお、2の「但願人長久」はフェイ・ウォンも(テレサへのトリビュート・アルバム『マイ・フェイヴァリット』で)取りあげている、バラードの逸品だ。

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