ヴァルプルギスの後悔〈Fire1.〉 (電撃文庫) の感想

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参照データ

タイトルヴァルプルギスの後悔〈Fire1.〉 (電撃文庫)
発売日販売日未定
製作者上遠野 浩平
販売元アスキーメディアワークス
JANコード9784048671712
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » ライトノベル

購入者の感想

上遠野浩平の『ヴァルプルギスの後悔』その1。

「私が冷たく、冷静な氷だとすれば、それを溶かそうとする燃えるような炎のような、熱くて鋭いなにか、私はそれと戦うように決められているんじゃないかって、そう思う」

正義を貫く霧間凪の対極の存在・・それとの戦いをまだ彼女は知らない。

じつは上遠野浩平の作品はこれが初めて。
タイトルに「ブギーポップ」と冠されてなかったのでてっきり新作かなと思って読んでしまいました。でもこの本が面白かったのでちゃんと最初から読もうと思って「ブギーポップは笑わない」を読んだとき、ああこれは新作というよりか霧間凪に焦点を当てたストーリーなんだと気づきました。

で、ストーリーについて。
幼き頃の霧間凪と探偵との淡い記憶からのプロローグで始まるこの『ヴァルプルギスの後悔』は、日常に生きつつも変わりつつあるその日常の不穏な乱れを感じ取っている霧間、深淵の底で自身の対となる存在との邂逅を今か今かと待ち焦がれる魔女、そのふたりが主軸となって話は進んでいく。そう、まさにふたりのための物語でもある。
そのふたりの渦中にかつて助けられた織機綺や統和機構の能力者たちが出会う驚くべき怪異や事象のすべては、まるで宿命づけられた魔女たちの激戦への予定調和であるかのようで、じつにゾクリとさせる。
一つの事象を多数の視点から描くスタイルで、要点を隠す。

まだ序章。
眠りについたヴァルプルギスの再燃はいつなのか。
その緊迫感が初見の私でも伝わってくるほど、待ち焦がれる。

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