佳麗なるソードマスターと最強なる不肖の弟子 (電撃文庫) の感想

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参照データ

タイトル佳麗なるソードマスターと最強なる不肖の弟子 (電撃文庫)
発売日2014-09-10
製作者蝉川タカマル
販売元KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
JANコード9784048668590
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » ライトノベル

購入者の感想

「青春ラリアット」、「不良少年と彼女の関係」といった作品において元気過ぎる少年を主人公として描き続けてきた蝉川タカマルの新作
異能とかのご都合要素抜きの現代劇を続けてきた作者としては意外な事にファンタジーという事で、果たしてどんな出来になったのかと拝読

物語は主人公のシロガネ・ランページが海の彼方から筏に乗ってリアマルテ大陸の東半分を領するアダンモイドの港町ツオークに漂着同然で
辿りつく場面から始まる。ツオークの浜に降り立ったシロガネが見たのは桟橋の上で屈強な武人たちに絡まれている一人の凛々しい少女であった
義を見てせざるは勇無きなりとばかりに飛びこんでいったシロガネであったが故郷ナナス村一番の力で殴られた筈の武人はビクともしない
格好良く飛び込んだは良かったがあっという間に海に叩きこまれたシロガネを後目にハルカと呼ばれた少女は鮮やかに双剣を駆使する剣術で男たちを
撃退。直後にハルカが目にしたのは海から這い上がったシロガネが目にしたのは素人でありながら素手で武人を倒したシロガネの姿だった…

弱い主人公が主役という「主人公は最初から強くて当たり前」みたいな風潮がまかり通る近年のライトノベルには珍しい作品。とにかく本作の
主人公シロガネは負けに負けまくる。武術の達人が建国したアダンモイドに伝わる武王流の達人たち相手にそれこそ手も足も出ずに主人公が
ボコボコにされる場面から始まり、物語の中盤ぐらいまではとにかく負け続ける。拾って貰ったハルカに稽古を付けて貰い武王流独自の呼吸法や
それによって産み出す「心(じん)=いわゆる『気』みたいなもの」の使い方も教えて貰うけど、からっきし使いこなせない姿がこれでもかと描かれる

物語の方は武王流宗主の座を巡って、武王流を代表する達人たち「七星」間の後継者争いの最中、かつては「剣神」と呼ばれながらも娘の為に
片腕を失い隠遁生活を送るハルカの父、カナタが現宗主から後継に指名された事でカナタの命を付け狙う他の七星の刺客との闘いに巻き込まれていく

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