失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫) の感想

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タイトル失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)
発売日販売日未定
製作者戸部 良一
販売元中央公論社
JANコード9784122018334
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 軍事 » 戦略・戦術

購入者の感想

いい加減な計画を立てておきながら、いったん出来てしまったものは変えることを良しとしない日本人。非合理的思考、遠慮思考、縦割り構造、年功序列、男たちの妙な無謬性へのこだわり … どうしようもないです。そういうことで、数多くの人が亡くなって行ったかと思うと、情けないです。

この本が単行本として最初に世に出たのは1984年。しかも分析に当たって底本としたのが更に昔の戦史叢書(1966−80年刊)。その後発表された膨大な戦史研究をふまえて本書を読めば、個々の事例分析はツッコミどころ満載である。
しかし、この本は長い間に渡り、いかなる戦史書よりも売れている。なぜか?
それは、本書が敗因研究ではなく、組織分析の本として秀逸だからである(本の副題は「日本軍の組織論的研究」であり、決して「日本軍こうすれば勝てた」ではない)。
従って本書の肝は最後の第三章にある。読み物として面白いのは間違いなく第一章だが、極論すれば、戦史に詳しい人であれば第一章を読む必要はない。
日本軍という組織の特性を、すべて日米の国力差に起因するものと安易に結論づけることなく、日本独自文化論でお茶を濁すこともなく、論理的にねばり強く結論まで導いており、この第三章は玩味熟読する価値がある。
著者の一人である野中郁次郎が、後に本書の結論を発展させた形で出版したアメリカ海兵隊―非営利型組織の自己革新 (中公新書)と併せて読むと更に理解が深まると思われる。0

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中央公論社から発売された戸部 良一の失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)(JAN:9784122018334)の感想と評価
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