食戟のソーマ 6 (ジャンプコミックス) の感想

附田祐斗・佐伯俊「食戟のソーマ」6巻。

一気にファンを増やした合宿編が終わり、
次はそれまで出てきたキャラ達が一斉にしのぎを削る選抜編に突入をする
既にここまでで各々のキャラの個性や存在感を出せている為素直にワクワク出来る導入になっているが
同時にそれに伴う創真の更なるブラッシュアップが目的として構成されている巻になっていると思う。

合宿を生き残り紆余曲折ありつつも有望株として注目され続けている主人公の創真
そんな彼に今一度「圧倒的な壁」を与え自分に足りないものを自覚させる為の親父・城一郎の計らいや
選抜のお題のスペシャリストに出会う事でより刺激された勝利への渇望など
これからの創真の活躍や努力が楽しみになる「布石」が多々敷かれていて相応の期待感を煽られる内容
しかしただ淡々と積み重ねていくだけではなく親父が対決後創真に放った台詞にグッと来たり
創真が辛酸を舐めさせられる中でも決して挫けず平気で「次」に向かう姿に田所ちゃんが良い刺激をもらっていたり
「食戟のソーマ」の利点であるドラマチックさや積み重ねの良さも往々にして見受けられてその意味でも読後感の良い巻だった。
ここで田所ちゃんがもらった良い影響は後々しっかりと作用していくのでその意味でも重要な布石だったと思う。

これまで創真の親父である城一郎は自由人で割と放任主義のような描かれ方をしてきたが
この巻を読むと実は息子の事をしっかりと思い遣って考えてくれてる事が伝わる流れにもなっている
井の中の蛙を大海に出す目的やお金の振り込みが適当なのも創意工夫を与えるため
そしてここぞという時には知識を教授する為に直接息子に会いに来て
激励の言葉を飛ばしに来てくれる、
同時にお世話になった寮に恩返しをする意図も感じられたし本当は誰よりも息子を案じてるんだなあ、と
単純に親子対決の模様にもドキドキ出来たし二人の絆のようなものも強く感じられて手ごたえ良好だったと思う
出始めは無双系のキャラだったのがどんどんと段階を経て研鑽に実直に向かっていく塩梅が素敵