カント先生の散歩 の感想
参照データ
タイトル | カント先生の散歩 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 池内紀 |
販売元 | 潮出版社 |
JANコード | 9784267019463 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » あ行の著者 |
購入者の感想
本書では、あとがきで述べられているとおり、カントの「老い」に多くの紙数が割かれている。
当時としては異例なほどの高齢(と言っても79歳)まで生きたカントは、60代を過ぎた頃から老いの兆候を見せ始め、あれほどまでに理性を追求した哲学者が「思考に見放されて」いく。
研究者の詳細な調査によって掘り起こされた証言から、その老衰の過程が赤裸々に明かされる。
それは残酷でもあるが、一方で著者が述べるとおり、同時代人にはなかなか許されなかった「小さな自由」を、大哲学者にもたらすものでもあった。
近寄り難いイメージの偉人に、人間としての親しみを感じさせる1冊である。
当時としては異例なほどの高齢(と言っても79歳)まで生きたカントは、60代を過ぎた頃から老いの兆候を見せ始め、あれほどまでに理性を追求した哲学者が「思考に見放されて」いく。
研究者の詳細な調査によって掘り起こされた証言から、その老衰の過程が赤裸々に明かされる。
それは残酷でもあるが、一方で著者が述べるとおり、同時代人にはなかなか許されなかった「小さな自由」を、大哲学者にもたらすものでもあった。
近寄り難いイメージの偉人に、人間としての親しみを感じさせる1冊である。