アドベンチャーゲームサイド Vol.2 (GAMESIDE BOOKS) (ゲームサイドブックス) の感想

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RPGサイドが面白かったので、アドベンチャーゲーム系となる本誌も購入。
平均評価が低いので少し心配しましたが、RPGサイド同様に、
単なるカタログ記事には終わらない、文芸誌的な記事に満足しています。

巻頭特集の「ファミコン探偵倶楽部」について、確かに皆様言われている通り、
インタビュー記事が載ってないのは少し寂しいと思いましたが、
その分、ほかの記事でさまざまな新作やコラムなどが盛りだくさんで、
インタビューないから全部ダメ、というのはせっかちな話だと思います。

なおインタビュー記事ですと、特に新作告知があるわけでもなく、
思い出の作品として「デゼニランド」を連呼する志倉社長インタビューは、ほっこりしました。
「シュタインズゲート」もビジュアルで何となくギャルゲー的な偏見を抱いてましたが、
こういう人が作っている作品ならと、少し興味がわきました。

また、「ファミ探」はラストが衝撃的で、今もネタバレ厳禁な作品なので、
普通にレビューするのではなく、各自が思い思いに作品を語るという方式は、
これから遊ぶプレイヤーへの配慮があって、良いと思いました。
あと、ひそかに現役のゲームクリエイターに他作品に語ってもらったり、、
現役東大生によるゲームレビューとか、ゲームライターと異なる視点で面白いです。

あとはレトロな表紙と裏腹に、新作紹介が結構多かったのですが、
最近のアドベンチャーゲームといえば、
「シュタインズゲート」や「逆転裁判」ぐらいしか浮かばなかった自分にしてみれば、
まだこんなにリリースされているんだ！　とビックリ。
パソコンからのエロゲー移植作品や乙女系ゲームも除いた、
魅力的なオリジナルタイトルが多く紹介されているのは新鮮です。
また、今をときめく学園ホラー「コープスパーティー」の、
思ったより古かったルーツを追ってみたりしています。

アドベンチャーゲームというと、
アクションやシューティングと比べて、今いちなじみの薄いジャンルですし、

ファミコン探偵倶楽部を大々的にとりあげてくれた所は凄く嬉しかったのですが
製作に関わったスタッフなどのインタビューなどもなく、ただ好きな人が感想を
述べているだけの読み物でした。
しかも値段がお高い。
ちょっと買って損をしてしまったような感じです。

最近、VCでメトロイドフュージョンをプレイしましたが、ストーリーに胸を打たれました。テキストとドット絵でここまで面白いゲームが出来ることを再確認できました。ムービーも音声も高画質も冗長でしかないのだ！
Vol.2では、メトロイド生みの親、坂本氏が昔作ったファミコン探偵倶楽部が特集されています。

その特集ですが、ライターさんの思い出話が多く、共感する部分もありましたが、感想ばかりだとちょっと諄く読んでいて疲れます。。。
名作には、名作となった理由があるはずなのに、そういうところを分析する人がほとんどいなくて残念。しかし、中澤さんのメッセージ送りやコマンドの表示タイミングに関する話は非常に面白かったです。
こういうところを掘り下げてもらえると嬉しいし、より意義深い雑誌となります。
新型ゲーム機が出る度にゲームはどんどんリアルになっていますが、アニメとも実写ともあきらかに異なった、当時のゲームだからこそ表現できたことがきっとあるはず。それを解き明かして欲しい。
（パソコンのようにハードの性能向上を続け、豪華絢爛主義となって消えようとしている日本のゲーム業界のためにもなるはず。こういうのをアタリショックならぬ何ショックというのか？）

それから、ファミ探関係者のインタビューもあるかなと期待していましたが何もなくてガッカリ。任天堂は答えてくれない?

そのほか、RPGツクールやゲームブック、ノベルウェアの話が出てきて、こちらは楽しめました。パレットは名作。こういうのはゲームサイドでなければ取り上げてくれない嬉しいです。

特集が残念だったので星3つです。次号に期待しています。