古代世界の超技術 (ブルーバックス) の感想

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参照データ

タイトル古代世界の超技術 (ブルーバックス)
発売日販売日未定
製作者志村 史夫
販売元講談社
JANコード9784062578455
カテゴリジャンル別 » 歴史・地理 » 世界史 » 一般

購入者の感想

 著者は、無機材料工学の専門家であり、考古学や建築に関してはアマチュアとしての立場で本書を著されている。
 従って、正則な考古学に関する書籍というよりは、工学者として古代技術に関する考察を記述した、というのが本書の基本的な成り立ちである。

 扱われている内容は、ピラミッド、古代ギリシャ(パルテノン神殿、アルキメデスおよびヘロンの業績)、古代ローマ(ローマ時代のコンクリート建築)、メソアメリカ・アンデス文明であり、バラエティに富むが、読後感としては「とっちらかっている」印象の方が強い。理由として、扱う題材が建造物、素材、人物、加工法などを順不同で並べてあり、またピラミッドを除いて個々の項目が短く、まとまった記述が無いこと、これらを通して全体として主張したいことが不明確なことなどがあげられる。数か所に、最近のエンジニアリングにおける効率や速度の過度な追求に対して異を唱える(このこと自体は評者も同じように感じることが多い)記述があり、これが一つの著者の主張かとも思われるが、全体の記述に関してこれが統一して示されているわけでもない。
 また、これは出版社の校閲にも問題があるのではないかと思われるが、個々の文章と全体の記述内容が整合していない部分が何箇所かあり、論旨が非常につかみにくい構成が見受けられる。たとえば、コンクリートの記述に関して、一般論として耐久性が高い理由として圧縮に強いコンクリートと引っ張りに強い鉄筋の組み合わせであると説明しながら、ローマ時代のコンクリートが2000年もの耐久性を有するのは鉄筋が入っていないからだと主張している例(PP130-152)を指摘しておく。内容を読む限り、双方の記述はそれぞれそれなりの正当性はあるようだが、それであれば、主張したい論旨に応じてトピックスを適切に選ぶべきであると思う。

 本書でもっとも問題と思われるのは技術者(評者)からみて不適切と思われる記述が散見されることである。
 以下いくつか例を示す。

P32

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