Never My Love (初回限定盤A:DVD+CD) の感想

こういうゆったりした曲ってあまり好きじゃないんですが、この曲は違いました。
イントロ部分でメンバーが一人一人クルクルっと回るシーンがありますが、王子様ファッションでクルクル回られちゃあ、うっとりせずにはいられません。
カメラワークも素敵で、お城の中をメンバーと一緒にまわっているような気分になれるものでした。
はっしーに見下ろされているようなカメラワークが、さらに危険な妄想を掻き立てます。
綺麗に踊ってたり、元気に走り回ってたり、ゆったりした曲調なのに見ていて楽しくなりました。
とにかくうっとりです。

カップリング曲もかっこよく、踊る彼らは本当に輝いてます。
キスマイファンなのですが、これは買ってよかったと思いました。

今から47年前の1966年、初代ジャニーズの4人は当時はハードルの高かったアメリカへ渡っての活動をはじめました。
様々な経験の後、この「Never My Love」と出会い、アメリカデビューの夢を叶えようとしましたが、諸般の都合によりレコーディングも済ませたのに帰国せざるを得なくなりました。その後、The Associationが歌った「Never My Love」が先にリリースされ、米国チャートで1位を獲ってしまい・・・
ジャニーズの面々は目の前まで掴んでいた夢から破れ、それをきっかけとして解散への道を歩き出す事となったのです。
そんなジャニーズの、ジャニーズ事務所の心残りである今作品を2013年秋、A.B.C-Zが改めてDVDというかたちでリリース出来る事になりました。

1960年代は音楽の歴史から見ても大変実り溢れる時代であり、その頃編まれたこの「Never My Love」は、ノスタルジックに浸るだけにとどまらない、優しく心穏やかになるメロディーが特徴のソフトロックの王道ですが、これを2013年Ver.として生まれ変わらせたのは、A.B.C-Zのアクロバットパフォーマンスによるところが大きいでしょう。
A.B.C-Zお得意のワンカメショー（一台のカメラで撮影し、編集を伴わない一発勝負）で、5分強のお芝居を含めた12分越えの超大作となっています。三半規管が弱い方はちょっと酔ってしまうかもしれません。従来の作品とは毛色の違う曲調でありながら、驚異の範囲をみんなが移動しています。
60’sの名曲を大切に歌う彼らを見ると、初代ジャニーズの掴めなかった夢を再び見させてくれるのかも・・・と胸を躍らせてくれるグループですね。

初回盤のAは「Never My Love」を一台の固定カメラで撮影したダンスバージョンが収録されており、Z盤は本編をメンバー5人で振り返り、NG集を見て反省会をしている映像が収録されています。また、A.B.C-Zの数ある特徴のひとつである「DVDの特典のCD」には、A盤Z盤とも別の曲が4曲づつ収録されています。
個人的にはA盤が入門編、更なる好奇心にはZ盤をお薦めしておきたいです。