発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記 (地球の歩き方BOOKS) の感想

「何故、この子はこんな風なんだろう？」
「なんでみんなのできることができないんだろう？」
そんな思いに追い詰められて、子育てが苦しくなる・・・。子どもを持つ親なら、多くの人が経験していると思います。それが発達障害のせいであるかないかにかかわらずです。

発達障害かどうかなんて、どうでもいい。ただ、我が子と過ごす時間が楽になり、我が子を少しでも幸せに生きる手助けができれば・・・。でも一体どうしたらそうできるの？

私自身、長い間その疑問に苦しめられてきました。そんなときめぐりあったのがアンダンテさんのブログです。

アンダンテさんは等身大のまたろうくんをそのままに受け止め、周りの様々な人を見事に協力者にして、その時のまたろうくんが必要とするものを与えるのに奮闘していました。その姿は「何故できない？」という私の疑問を打ち砕くものでした。

子どもと向き合うのを苦しくしている原因の半分は自分の思い込み。親がなすべきなのはありのままの我が子に寄り添い、子どもが必要とするものを与えること。これって、気づくだけでも大変だけど、実行するのはもっと大変です。

この本は、アンダンテさんがそれをいかに実行してきたかの実録です。壁にぶつかっては体当たりで乗り越えたり、ちょっと先送りしたり、「あれって無駄だったな~」と振り返ったり、事実ならではの示唆に富んでいます。ちょうど旅本の「地球の歩き方」と同じです。

子育てを苦しいと感じる全ての人に、読んで欲しい本です。

わが子と向き合っていると、目の前のことしか見えなくなって、すべての責任が自分にあるように感じてしまったり、うまくいかなくて途方にくれてしまったりの連続。この本は作者が息子「またろうくん」と進んでいく中で直面したひとつひとつの出来事をリアルにときほぐしていった記録です。
作者の「発達障害グレーゾーン」のしなやかで現実的な受け止め方がなんて素敵なこと！

子どもの育てにくさはそれぞれちがうけれど、どんな子育てにも必要な「深呼吸の時間」を与えてくれる本です。