大二病 「評価」から逃げる若者たち (双葉新書) の感想

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参照データ

タイトル大二病 「評価」から逃げる若者たち (双葉新書)
発売日販売日未定
製作者難波 功士
販売元双葉社
JANコード9784575154450
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会一般

購入者の感想

関学教授にして社会学者である著者の見た当世大二事情+就活論。学生はスペックとか思い描いたりするものだが、結局は一緒にいて話が合う楽しい人が採用されるんだろうなあと。それと自分の打ち込んだことをしっかり話せる人。著者のゼミは人気で、面接や書類で選考しているそうだが、書類の形式は自由。「お客さん」にならない人、自分でアピール方法を考えられる学生は就職にも強い、と。大人と普通に会話ができ、的確な受け答えができる。当たり前のことができる学生が意外と少ない。これで、頭の回転が速く華があれば最強なのだが……表題にもあるが

余談がかなりのウエイトを占めていて、就活に関係ない人にはむしろこっちが面白い。著者は学部は京大で、日本近世史専攻だったという。史料調査で訪問したジジババと世間話をしたことが、意外と大人にもまれ面接でものおじしない効果につながったという。コミュ力というのは、同世代相手だけに強いのでは意味がない、面接官や会社を動かしてるオッサンやジジババに効くコミュ力でなければ。著者は面接でくずし字も披露して面接官の受けも取ったという。

表題の大二病についても、冒頭で3分類している。「凡人には理解されないが、自分は特別な才能がある」という根拠のないプライドが強いが、石川遼や浅田真央でもない限り、ごくありふれた若者に過ぎない。「クリエイターの才能があるっていわれて……」文化芸術系は目が肥えないと差が可視化されにくいだけに、こじらせると就活フェードアウトになる。受験で自らを誇る大二病もあるという。国立落ち組に多いそうだが、「◎◎大の模試でA判定だった」と著者に語る学生もなかなかの強心臓だなって気もするが。冷笑されても仕方ないだろうなあ。

主対象はやっぱり大学2、3年生だろう。雑談が多いが「自分が特別じゃないことに気付け。そして面接官を楽しませがらせる就活生になれ」というメッセージは明確である。そして、今どきの学生社会に関心を持つ人。ごく限られた用途として、30年前の京大文学部カルチャーを知りたい人にもいいのかもしれない。そんな人が私以外にいるとも思えないが。

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