競争しても学力行き止まり イギリス教育の失敗とフィンランドの成功 (朝日選書 831) の感想
参照データ
タイトル | 競争しても学力行き止まり イギリス教育の失敗とフィンランドの成功 (朝日選書 831) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 福田 誠治 |
販売元 | 朝日新聞社 |
JANコード | 9784022599315 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 教育学 » 一般 |
購入者の感想
おもしろい本ですね。日本をまねしてできたものを、日本がそれをまねをする。すでに失敗とわかっていても。
なぜ教育をするのか?義務教育とは?国家にとって教育とは? もう一度考える基本になる本です。
なぜ教育をするのか?義務教育とは?国家にとって教育とは? もう一度考える基本になる本です。
海外で行われている教育というものは日本の教育の反面教師であったりする。
特に、この本は「競争したからといって学力」がつくものでもないという「イギリスのサンプル」を例証をあげて見せてもらえる。
これをアングロサクソンモデルとして本書では図解してもいる。
競争は人間の心理に圧力をかけて、学力を上げる仕組みだから、心が負けるといろいろ病理が噴出す仕組みでもあるのも当然のはずだ。
日本の目から見れば、壮大な競争原理の負の面を見せ付けてもらえる実験をしてもらったと思うが、はたして、教訓を生かしているといえるだろうか。今、日本は過去に戻ろうとしている。
この本には、もう一つ、フィンランドモデルがある。
短く書くとすれば、新自由主義を上手く消化し、新保守主義を上手くかわしたため、業者委託の金銭腐敗的なテスト会社競争原理主義(?)や、教師への圧力と上に媚びへつらう成果主義が生まれずに、現場に自由と責任をあたえ、やる気をもたらしたようである。これも心理的な問題で、やる気が学力にどう影響するかを、教育現場という括りで示していると思う。
日本の教育は、興味関心、学習への動機とか生徒の心理的な面もそうだが、教師の心理も軽視しすぎているのではなかろうかと思われた。
特に、この本は「競争したからといって学力」がつくものでもないという「イギリスのサンプル」を例証をあげて見せてもらえる。
これをアングロサクソンモデルとして本書では図解してもいる。
競争は人間の心理に圧力をかけて、学力を上げる仕組みだから、心が負けるといろいろ病理が噴出す仕組みでもあるのも当然のはずだ。
日本の目から見れば、壮大な競争原理の負の面を見せ付けてもらえる実験をしてもらったと思うが、はたして、教訓を生かしているといえるだろうか。今、日本は過去に戻ろうとしている。
この本には、もう一つ、フィンランドモデルがある。
短く書くとすれば、新自由主義を上手く消化し、新保守主義を上手くかわしたため、業者委託の金銭腐敗的なテスト会社競争原理主義(?)や、教師への圧力と上に媚びへつらう成果主義が生まれずに、現場に自由と責任をあたえ、やる気をもたらしたようである。これも心理的な問題で、やる気が学力にどう影響するかを、教育現場という括りで示していると思う。
日本の教育は、興味関心、学習への動機とか生徒の心理的な面もそうだが、教師の心理も軽視しすぎているのではなかろうかと思われた。