論語〈上〉―中国古典選 (朝日選書) の感想
参照データ
タイトル | 論語〈上〉―中国古典選 (朝日選書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 吉川 幸次郎 |
販売元 | 朝日新聞社 |
JANコード | 9784022590015 |
カテゴリ | 人文・思想 » 哲学・思想 » 東洋思想 » 東洋哲学入門 |
購入者の感想
いろいろな論語の解説書を読みましたが、この本ほど役立ったものはありませんでした。それは次の理由によります。
1.全章にわたって述べている(抜粋ではない)。
2.さまざまな解釈のある解説書を紹介している。
3.その中で自分の意見をきちんと主張している。
4.中国へ留学しているので、中国のことを熟知しており、中国人の考え方を日本人に分かりやすく述べている。
吉川博士は中国文学の第一人者であり、その豊富な学識からまとめ上げたこの解説書は、同種の解説書の中でも群を抜いていると思います。
1.全章にわたって述べている(抜粋ではない)。
2.さまざまな解釈のある解説書を紹介している。
3.その中で自分の意見をきちんと主張している。
4.中国へ留学しているので、中国のことを熟知しており、中国人の考え方を日本人に分かりやすく述べている。
吉川博士は中国文学の第一人者であり、その豊富な学識からまとめ上げたこの解説書は、同種の解説書の中でも群を抜いていると思います。
日本には数多くの「論語」が出版されています。金谷治先生が翻訳のように訳された岩波版「論語」を出発点として、貝塚先生・宮崎先生・宇野先生・等々様々な「論語」を読んできました。この本を手に取ったとき「いよいよ吉川先生と出会うのだな」という感慨がわきおこっていました。
本を開いてみると、他の「論語」のように現代語訳が別立てで記されているということはありません。吉川先生の思索がそのまま本になっているようでもありますね。徂徠・仁斎がその一文をどのようにとらえていたか、朱子はどう読んだか古注ではどうかなど、思考の内面を見せてくださった上で、現時点での先生の訳文採用理由を奇をてらうことなく披露してくださいます。
中国の古典は諸子百家という言葉があるように、ものすごい数の思想家が存在し書物として現存しています。「論語」の言葉はその思想内容というよりも、その「言葉」が心に残ります。そして、自分の生活局面で思い出し、自らを戒めることができるのです。「論語」理解の出発点としてはお勧めできませんが、「論語」の深みというものを味わいたいと思われている方は、ぜひ手にとってみてください。
世間通用のイメージと全然違うことが、解っていただけるに違いないと思います。
本を開いてみると、他の「論語」のように現代語訳が別立てで記されているということはありません。吉川先生の思索がそのまま本になっているようでもありますね。徂徠・仁斎がその一文をどのようにとらえていたか、朱子はどう読んだか古注ではどうかなど、思考の内面を見せてくださった上で、現時点での先生の訳文採用理由を奇をてらうことなく披露してくださいます。
中国の古典は諸子百家という言葉があるように、ものすごい数の思想家が存在し書物として現存しています。「論語」の言葉はその思想内容というよりも、その「言葉」が心に残ります。そして、自分の生活局面で思い出し、自らを戒めることができるのです。「論語」理解の出発点としてはお勧めできませんが、「論語」の深みというものを味わいたいと思われている方は、ぜひ手にとってみてください。
世間通用のイメージと全然違うことが、解っていただけるに違いないと思います。