子どもを勇気づける教師になろう!: アドラー心理学で子どもが変わる の感想

私は、元小学校教師であり、現在は、保育士、幼稚園・小学校教諭を目指す学生の養成校で教える立場にいます。
教育現場では、昔も今も、様々な課題を抱えています。課題を３つに絞るなら、
1.「子どもたちに、向上心を持たせるためには、どうしたらよいのか」、
2.「一人一人にとって教室が、居心地のよい居場所となるためには何が必要なのか…」、
3.「学生の不適切な行動にばかり目がいって、注意ばかりしまう」です。
この本に出会い、読み進めているうちに、もやもやと渦巻いていたものが、クリアになってきました。
教育現場の実践に活かせて、今すぐ使える“心強い教師必携の一冊”として自信を持ってお勧めいたします。

この本の特色は、“勇気づけの心理学”として、アドラー心理学の考え方をベースに、
子どもたちへどのように対応したらよいか、また、その時の教師の心の持ちようが、
たいへん、分かりやすく書かれています。
見やすく分かりやすい図解、現場で活用できる「勇気づけ」のワーク、
さらに、アドラーの言葉が、章ごとに盛り込まれています。
必要な時に、必要な箇所から活用できるメリットがあります。

教師の仕事を振り返れば、様々な場面を通して、子どもたちへの細やかな指導や対応に追われる日々です。
そんなゆとりのない状況で、教師は、子どもたちに「ダメ出し」を強いてしまいがちです。
しかし、適切な行動に注目し、「ヨイ出し」ができたら、どれほど、子どもたちは「認められている」と実感できることでしょうか。
注目する視点を変えるだけで、子どもたちが勇気づけられたと感じてくれる「望ましい問いかけ」の例は、
私への大きなギフトになりました。課題の１つが、すっきりと解決しました。

子どもたちの中には、コンプレックスを抱いていたり、やる気が感じらなかったりといった課題に直面している子どもがいます。
この書では、いかに、子どもたちに向上心を持たせるか、大切なアプローチが紹介されています。
子どもたち自身が劣等感をコントロールし、向上心につなげていけたら、素晴らしいものです。